blank of New Site 40

小国郷で紅葉狩り

PB030172.JPG 沖縄ではあまり紅葉が見れないという沖縄スタッフからの情報を聞いて、ぜひ熊本の紅葉を沖縄のみんなに見てもらいたいと熊本のスタッフ一同奮起!
新聞に熊本と大分の県境、阿蘇の外輪山に位置する小国郷で紅葉がピークと掲載されていたので、熊本市内から80キロの小国へ「熊本スタッフ野郎5人組」で1泊温泉付紅葉狩り取材旅行を計画!
ネットで検索すると見所がたくさんあるらしいが、道路マップではよくわからない。
そこで新聞の記事を書いた地元新聞の支局にお世話になることに。親切な支局の記者さんに道案内までしていただいた。
今回は、小国郷の紅葉ポイントを紹介し!
「野郎5人組」の珍道中は次回に・・・乞う御期待!

鍋ケ滝

DSC_0556.JPG小国の道の駅近くにある新聞社の支局から15分程度、国道387号沿いの坂本善三美術館から下滴水方面へ車を走らせると、道の右側に入り口の看板がある。ここから徒歩で。通路の入り口に木の棒が無造作におかれていて「杖をどうぞ」。急な斜面に丸太で階段を作り、さらに古いじゅうたんなどで足場を整地してある。いっそうと茂った木々の中を5分ほど下りると鍋ケ滝が姿を現す。振り返ると結構急勾配で「杖を持ってきたほうがよかったかな」とちょっと考えた。
 滝の高さは15メートルほど。横一線に落下する様は見事。滝つぼがなべ底のような形をしていることからその名が付いたという。気軽に森林浴と飛沫浴を楽しむことのできる場所だ。
 滝の裏側は12メートルほどへこんでおり中に入ることができる。対岸へここを通って行ける。滝の裏側でシャッターを切った。オートで内側を撮影するとストロボが機能し、一面に水滴が映った。目視できないが内側は滝の飛まつでいっぱいなのに気がついた。
 この滝で女優の松嶋菜々子さんの清涼飲料水CMを撮影、2003年に放送されたことで一躍注目を集めた。あれは夏の服装、CMは滝の外側で松嶋さんのアップばかりが印象に残っているが、松嶋さんも撮影スタッフも、滝の裏側の別天地を楽しんだに違いない。


IMGP0731.JPG
DSC_0586.JPG
IMGP0735.JPG
IMGP0737.JPG
IMGP0739.JPG
IMGP0755.JPG

竹筋橋

DSC_0594.JPG 小国町北里の国登録有形文化財のコンクリート製「幸野川橋梁」。幸野川橋梁は国道212を切原から県道318に入って10分ほど走ったところにある。橋梁は長さ112メートル、高さ25メートルの大きなアーチ橋で、旧国鉄宮原線の鉄道橋梁として1939年ごろ建設され、地元では「竹筋橋」として親しまれてきた。鉄筋の代わりに竹筋(ちっきん)で造られたのではないかと注目されている。
 耐久・耐火・耐震性が求められる建造物は、鉄筋コンクリート製が一般的だが、戦前の一時期、鋼材不足から鉄筋の代用として竹筋を使って補強したコンクリート構造物が建設されたという。2007年の調査では厚さ約0.5センチ、直径約3センチの輪切り状になったものなど、竹があるのが確認されたという。
 現在は遊歩道になっている。道の駅小国ゆうステーション(肥後小国駅跡)から、北里駅跡までの約4キロの区間が誰でも散策できるように整備されていて、ウォーキングできる。幸野川橋梁は道の駅から2キロちょっとの地点にある。鉄道の廃止線を利用したコースなので、介助があり体力に自信があれば車いすでも行けるかもしれない。今回は橋の下から山道を上り、橋を渡って里道を降りて車に戻った。

丘の上のレストラン

PB030012.JPG 国道442で南小国から左折し「ファームロードわいた」に。そのファームロードを10分ほど走ると右に小さなBEARの看板がある。ここから細い道を登り、看板通りに進む。かなり厳しい右折を切り返し、ガタガタ道を進むと急勾配。上りきるころやっと丘の上に木造の建物が見えた。ここがカフェBEAR。小国町北里。
 建物西側には冬の暖房用と思われる薪がたくさん積んであった。この付近から北、西への眺めはすばらしく、丘陵を走る風にススキの穂が揺れてのどかな、牧歌的な風景。麓へ目を移すと岳の湯温泉などの湯煙も見えた。
 全てオーナーの手作りという建物の内部はこぎれいに飾られており、洗面所も広いスペース。車椅子でも不自由はしないだろう。
 南側はベランダになっていて日当たりがいい。ベランダで焼きカレーやロコモコを注文。野菜の味が程よくでていて、美味しい昼食だった。近くで重機を使った整地作業が進んでいた。次に訪れたときには、もう少し道路も整備され、周辺の施設も充実して観光地化しているかもしれない。


DSC_0594.JPG
DSC_0611.JPG
IMGP0797.JPG
IMGP0778.JPG
IMGP0766.JPG
IMGP0799.JPG
PB030163.JPG
DSC_0422.JPG
PB030006.JPG
PB030001.JPG
IMG_0002.JPG
IMG_0007.JPG

マゼノ渓谷

PB030223.JPG 国道212号線を南小国町に抜け、南小国西部農免道路から牧野に入る道に入る。放牧の期間中で道の入り口に柵があり、締め切られていた。この道は町道というものの新聞社の記者さんに先導してもらわなければ、とても入れなかった。柵を閉めて、車1台通れるかどうかという細い道を進む。途中、放牧の牛が道路の脇で草を食んでいた。車が近づいても避けようとはしない。「見知らぬやつがきたな」それとも「わかってるな、ここは俺たちが優先だ」とでも言っているかのように一瞥しただけでわれわれを迎え、見送った。
 原野の中を上りT字路を左折してくだったところにマゼノ渓谷はあった。渓谷の紅葉は、数日来の冷え込みで一気にピークを迎えていた。大きな岩肌を洗うように流れる清流は、埋め尽くされた赤や黄、茶など色とりどりの落ち葉で“蛇行”していた。上流には大きな木が渓谷をまたぐように幹を伸ばしていた。
 南小国町中原のマゼノ渓谷は、筑後川の上流に位置する。春は野草のキスミレなどが咲き乱れ、夏は涼を求めるハイカーらが訪れる。紅葉の秋は、クヌギやナラ、カエデなどが鮮やかに渓谷を染めるが、牧野の中にあるため一般にはあまり知られていない

押戸石

DSC_0682.JPGマゼノ渓谷から原野を戻り牧野の柵を閉め、山道を進むと押戸石への看板があった。矢印の方向へさらに原野の中の細い道を進むと小高い丘のふもとに駐車場があった。この丘の上にあるのが押戸ノ石の石群。ここも南小国町中原。
 標高845メートルの丘陵、駐車場からの標高差30~40メートルを一気の上りきると、頂上付近に、ピラミッド型の巨岩(高さ5.5メートル、周囲15メートル)を頂点に、南西斜面にかけて50~60個の巨石群が散らばっていた。縄文時代の岩石祭祀の跡といわれ、シュメール人がぺトログラフ(岩刻文字)を刻んだとされる跡もあるという。「その昔、鬼がお手玉をして遊んだ」との言い伝えが地元に残る。阿蘇北外輪で巨石群があるのはここだけ。
 この古代ロマンの丘からは阿蘇五岳や九重連山、英彦山などを360度、一望に見渡せる。巨岩群といい、眺望といい、カメラのフレームにはとても収まりきれない。阿蘇の外輪山の裾野の小高い丘、周りに広がる起伏のある原野とその先に広がる山々と空。雄大な大パノラマが目も前に広がっている。あえて例えれば、巨大な箱庭を造ってその周りを写真かなにかで覆って、真ん中からぐるっと見回すような感じかな。この日はあいにくの曇り空だったが、春の晴れた日には新緑と青空のコントラストがすばらしいことだろう。


DSC_0664.JPG
PB030225.JPG
PB030243.JPG
DSC_0677.JPG
DSC_0683.JPG
IMG_0016.JPG

今回の小国郷のアナ場探し、幸野川橋までは舗装された普通の道路だったが、丘の上のレストランへ向かったあたりから狭い未舗装の山道が続いた。普通車だったため車体の腹をこすらないように用心しながらのドライブが続いた。所要時間も思いのほかかかったような気がした(時計の針はそれほど進んでいなくとも)。熊本市から片道80キロの道程を考えると普通車のほうが乗り心地はいいのだけれど、小国郷に入り目的地へ行くには4WDの方が向いている。ただ道路に目印もなく、再訪しようと思っても道に迷いながらのドライブになりそうだ。

PB030159.JPG