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市電でうろんころん

段山町(だにやままち)電停

IMGP1010.JPG今回の市電でうろんころんは段山町電停。段山町電停は熊本城の西側ふもとに位置し、1980年秋に巨人対阪神のオープン戦で王貞治が現役最後のホームランを放ったことで有名な藤崎台球場がすぐ側にあり、電車やバス、それに車の往来がひっきりなしで、閑寂な熊本城の周辺とは隔世の感がある。
段山とはこの藤崎台球場のある藤崎台地のことを「段々山」と称したことからこの地名となったといわれる。
江戸期には、武家屋敷が並んでいたそうで、明治の西南の役では薩摩軍の熊本城攻撃基地のひとつとなっていた。

HIMG0546.JPG明治時代初期までは東西に伸びる低い台地で段山と呼んでいたが。九州鉄道や熊本市電上熊本線の路線を通すため開削し現在は平地となっている。
また、藤崎台球場の南側には藤崎八旛宮秋季例大祭の新町の御旅所があるが、例大祭以外のときは閑散としている。

 余談だが、熊本市電には熊本市交通局9700形電車(1997年に製造された、日本で最初に導入された超低床路面電車)が走っていて、車椅子のでも市電を介助者なしで利用するのは可能だが、電停の多くが大変狭く、人ひとりが通るのがやっとといったところであり、乗り降りを考えると車いすの人にとって、若干、敷居が高いと感じた


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うろんころん開始!

釣耕園(ちょうこうえん)

1.jpgさて、ここから「うろんころん開始!」。段山町電停を降りて、西の方に歩いていくと、江戸時代熊本城武家屋敷があった名残で、歴史的施設が数多く残りっている。
まず、段山町電停から2Kmほど歩くと「釣耕園(ちょうこうえん)」がある、「釣耕園(ちょうこうえん)」は肥後藩五代藩主綱利(つなとし)が作った「お茶屋」と呼ばれる別荘で、江戸時代、城下からの距離も程遠からぬため、詩文を楽しむ藩士達の清遊の地でもあった。
庭園は飛石を配した広い池に山渓を取り入れて中心に置き、南側の崖にはしゃくなげの群落がある。
現在は個人の所有ですが、見学することができるため春のしゃくなげの開花時期には訪れる人も多い。

叢桂園(そうけいえん)

HIMG0599.JPG「釣耕園(ちょうこうえん)」を出てすぐ南側には「叢桂園(そうけいえん)」がある。
「叢桂園(そうけいえん)」は江戸時代肥後の文化医学教育に貢献した村井家歴代の別荘跡で、庭には釣耕園の水を引いて曲水をつくり、その下手には中国の洞庭湖に模した池を設けた。園の入口の石には「来者不拒 去者不追」の文字が刻まれ、曲水の南はもみじと楓の林で樹下は緑の毛氈を敷いたような苔庭となり、石の碁盤や腰掛も配置されている。
園内のもみじはどれも見事で、秋の紅葉時期は一面を紅に染める。


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三賢堂(さんけんどう)

HIMG0591.JPG三賢堂(さんけんどう)は政治家安達謙蔵が昭和11年,精神修養の場として建てたもので、釣耕園(ちょうこうえん)の庭園の奥にある。
円形の堂で、肥後の三賢人として、菊池武時(きくちたけとき)、加藤清正(かとうきよまさ)、細川重賢(ほそかわしげかた)の座像が、田島亀彦、朝倉文夫(あさくらふみお)、長谷秀夫(はせひでお)ら彫刻家によって制作され、安置されている。
中を見るには事前の許可が必要だが、モダンな円形のドーム型の建物が自然の中に溶け込む外観だけでも必見の価値有り。
さらに、近くには、延命水や長命水といった湧水の湧き出ているところもあり、立ち寄って一杯頂けば、御利益が得られ長生き出来るのでは?

島田美術館

P3170038.JPG三賢堂を出て5分程度歩くと島田美術館がある。島田美術館は昭和52年に開館、収蔵品は古美術研究家・武蔵会会長を務めた故・島田真富氏のコレクション。 2007年10月1月の改装に伴い、本館とカフェの他、大小4つのギャラリーとガラス制作を見学できる「研究棟」が設けられた。本館には、宮本武蔵の肖像画をはじめ、直筆の書画、武具や衣類品など、武蔵ゆかりの品も公開されている。ギャラリーでは期間毎に創作家たちの多彩な作品が楽しめる。
島田美術館には隣接してカフェがある、落ち着いた感じの居心地のいいお店で本館と入口が別なのでカフェみの利用も可能。


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電停南側うろんころん!

からしれんこん

IMGP1134.JPG段山町電停の南側には数多くのお店が並んでいる。 段山町電停から南へ徒歩2分、創業50年にもなる老舗、カラシレンコンバーガーが有名な「村上カラシレンコン店」が見えてくる。
「村上カラシレンコン店」は市電の線路横にあり、いも饅頭や、からしレンコンコロッケも売られていた。
店の中からは、揚げ物の美味しそうな香り、たまらずカラシレンコンを買って一口ガブリ、鼻にツーンと抜けるような辛とレンコンのシャリ、シャリとした食感、熊本に住む者にとってはこれがたまらない。

肥後象眼

IMGP1142.JPG「村上カラシレンコン店」の道向こうには、江戸時代から400年続く、熊本県の伝統工芸(人間国宝にも選ばれている)、肥後象嵌の「光助」店を構えているので、中をのぞかせてもらった。
肥後象眼とは、主要素材である鉄に純金や純銀を打ち込む、江戸時代初期に生み出された肥後独特の象眼技法で、江戸時代には刀の鍔や小柄などに象眼が施されていたが、現在では、ペンダントやネクタイピン等の日用品が多く作られている。
熊本を訪れた際は、ぜひともこのカラシレンコンと肥後象嵌のお土産がお勧めである。


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フランス菓子のお店「ブランシュ」

 さらに、少し歩くと、あまり目立たないところに、フランス菓子のお店「ブランシュ」がある。
 ここは20年近くの歴史があるそうで、お店の人に「ブランシュ」のケーキの特徴を聞くと「メインになる味を美味しく食べていただけるように、味はあっさりめで、素材の味を活かしています。完全無添加ですので、安心してお召し上がりください」とのこと、お勧めはシュークリームで、一番人気だそうだ。
 今回は、クッキーを試食させていただいたが「美味い!」昔懐かしい味がした。これは皆さんにも是非食べてもらいたい。

 段山電停周辺には、今回紹介した場所以外にも色んな楽しいお店や歴史的施設があります、熊本遊びにこられたら是非、段山電停付近をうろんころんしてください。

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取材を終えて

 取材を終えて、段山町電停の近くには身障者用のトイレはなく、電停の少し北側に公園があるが、この中に、トイレが設置してあるものの、身障者には使いづらく、使い勝手はよくない。
 少し遠いが、新町のYMCAの中か、あるいは、熊本城三の丸のテニスコート脇にあるトイレや、前回お知らせした旧細川刑部邸のトイレを利用するしかない・・・残念。
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