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車イスサッカー大会を直撃!

今回の特集は、11月7日土曜日に浦添市民体育館で行われた、障害者スポーツ「浦添ふれあい車イスサッカー大会」を紹介します。
まずは、当大会を運営する沖縄県車いすサッカー協会会長 嘉数貞夫さんにお話を聞きました。

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━━━車イスサッカー大会を始めたきっかけは?

  • 電動車椅子サッカー大会があるのも知っていましたが、電動の部は障害を持っている人、電動車イスに乗っている人だけの大会になっていたんです。それに、電動車椅子は1台、数十万もするので用意するのも大変で参加する人も少ないのが一つの課題でした。
  • そこで、障害者と健常者が一緒にできるスポーツを考えた時に手動の車イスサッカーを思いつきました。
  • はじめた当初は競技用の車椅子も無かったので、一般の車イスを使ってやっていました。一般の車イスは転倒防止もついていないので、よくひっくり返って転んだこともありましたよ。

━━━車イスサッカー浦添大会は、いつ頃から始まったんでしょうか?

  • この浦添大会は10回目の開催です。県内では毎年浦添大会の他、うるま大会と県大会の3回行われます。県外や海外では電動の車イスサッカー世界大会もありますが、手動車イスの大会は沖縄だけで行われていいて、その中でも浦添地区が手動車イスサッカーの発祥の地なのです。
  • うるま大会や県大会では手動の部だけの競技をやっていて、電動の部があるのは唯一この浦添大会だけです.

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━━━「ふれあいサッカー大会」という名前がついていますが由来は?

  • この大会では、手動(一般・子ども・交流)の部、電動の部があって、子供も大人も障害者も健常者も誰でも楽しめるようにしたくてこの名前を付けました。
  • 手動(一般・子ども・交流)の部は1チーム6名編成で行います。一般の部は毎週のように練習をし、激しいパワフルのある試合が行われます。子どもの部では、地域の小学校から車イス体験もかねて参加してもらっています。交流の部では、2名の障害者を試合に参加という規定で、また初心者でも参加が出来て障害者と健常者が一緒に楽しめます。電動の部では、電動車イスを使用し、人数は1チーム4人で行います。スピード感などはあまりないが、電動車イスの操作・ボールコントロールの技術の高さは見ごたえあります。
  • 他の大会は競技なので一般の人はなかなか参加できませんが、この浦添大会では初めて参加する人もたくさんいます。
  • ふれあいをテーマとしてやっているので初めて参加する人も多く、浦添地区の小学生や遠くはやんばるからくる人もいます。車イスサッカーは車イスの操作をしながらボールを転がさなくてはならないのでとても難しいんですよ。
  • 今回は新型インフルエンザの影響で参加チームが少なくなってしまいました。特に電動の部は3チームしか参加していないのでちょっと物足りないかもしれませんね。

沖縄発!~全国へ!世界へ!

━━━今後の目標を聞かせてください

  • kakazu1.JPG手動車イスサッカー世界大会をやることです!
  • 手動車イスサッカーはまだ沖縄県でしか開催されていないので全国大会が先ですが、これが他府県に広がって行き、電動と並んで手動の世界大会ができるようにしたいです。
  • 最近では小学校などから福祉教育・体験の一環として依頼が来ることもあります。今後は普及用のビデオを作製して周知活動を広げていきたいですね。
  • BLOGも作っていますのでご覧ください。そして、ぜひ一緒に車イスサッカーを広げてもらって試合ができるといいですね

━━━嘉数会長ありがとうございました。

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● 大会参加者に聞く!

今回は、注目のチーム「About(アバウト)」と「Adult(アダルト)」の2チームに密着!
「About(アバウト)」チームは、キャプテンの座波和都さんに話を聞きました。
━━━年はいくつ?

  • 18歳、高校3年生です。
  • チームに入って3年目になります。昨年からキャプテンとしてチームをまとめています。

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━━━「About」について教えてください。

  • 基本的にAbout(アバウト)は子供たちの集まりです。大人になると僕達の親達で結成するAdult(アダルト)になります。
  • Aboutメンバーは20名くらい、今日は8名のメンバー構成で試合に出ています。
  • 元々は、泡瀬特別支援学校のメンバーでやってみようか!ということで始めました。今は友達や親戚なども集まって楽しくやっています。とても仲がいいのでサッカーだけじゃなくて食事会をしたりキャンプに行ったりもします。親も仲がいいですし、メンバーも仲がいいです。

━━━キャプテンをしていて大変なことはありますか?

  • チームメンバーのことを考えたり、試合のスターティングメンバーとかを決める時に不公平にならないように、うまいことバランスよくまとめるのが大変です。
  • あとは、みんなが信頼してくれているので、協力してもらいながらやっています。

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━━━車イスサッカーの魅力は?

  • スピード感とボールを取るか取られるかの駆け引きが面白いです。僕も障害者スポーツに出会ったのが、このサッカーだったので、最初に見た時に「なんじゃこの迫力は!?」と思いました。ボールを取る時に車イスがぶつかり合うし、激しい時は転んじゃうこともあるけど「自分もあんな風にかっこよくシュート決めてみたいな。」という憧れもあります。

━━━今後の目標は?

  • もっとボールコントロールを上手くなって、大会でMVP(最優秀選手)に選ばれるようになるくらいがんばりたいです!
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「Adult」チームは 自称:代表取締役?新里健三さんにお話を聞きました。
━━━「Adult」結成は?

  • 3年前のうるま大会が初出場の大会です。大会があると必ず参加させていただいています。
  • 元々は子供たちのチームAbout(アバウト)の指導や応援をしていたのですが、子供たちのプレーを見て「自分たちだったらこうするのに!」「なんでできないんだろう?」と言っていたのですが、いざやってみると私たちも出来ないんですよね。
  • 車イスをこぎながらボールを操るっていうのは思った以上に難しい。見ている分にはいろいろ言えますが、でもそれはやって見ないと分からないんですよ。そこで初めて気づきました。
  • そこで、じゃあ親たちもチームを作って一緒にやろうじゃないか!子供たちの見本になるような、お互いに勉強できるような、子供と一緒にプレーできるようにということでチームを結成しました。

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━━━チーム構成を教えてください。

  • もともとは障害を持つ子供たちAboutチームの親や学校の先生を中心にはじめました。
  • 今はチームメイトの兄弟や親戚、メンバーから紹介で知り合いも増えてきました。あとは浦添にあるアビリティというスポーツ施設で練習しているので、そこで知り合った人も一緒にやっています。

━━━車イスサッカーの魅力は?

  • 子供たちと同じ目線でプレーできることですね。普通のサッカーだと、身長差や体格に差があるとどうしてもプレーに出ますけど、車イスサッカーだとそれが無いんです。
  • うまい子供はうまい!子供が大人に勝つことが出来るスポーツ。
  • 自分たちも子供がうまいと思える。そして、逆に子ども達は自分にもここまでできるんだぞ!という風に思ってもらいたい。そこが魅力ですね。
  • あと、今日はじめて点を取った子がいるんですよ。その子は車椅子さっかーをはじめて間もなく、点が取れないとイライラして怒ることもあったんですけど、初めて点を取ってすごく喜んでいました。そして私たちもとてもうれしいです。

━━━練習の頻度は?

  • sinnzato2.JPG週に一回、日曜日にアビリティという施設で12:30~14:00の時間帯にやっています。
  • 初心者でも誰でも参加は大歓迎します。車イスでぶつかり合うこともあるので怪我をしないように、室内履きの運動靴を履くことは決まりになっていますので運動靴は持参お願いします。
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沖縄の浦添が手動車イスサッカーの発祥の地ということで、今回は手動の部を中心に取材してきましたが、編集長RONは電動の部で試合にも参加しました。もちろん優勝しましたよ!大会は学生やボランティアで運営されていて、地域密着型のイベントになっています。このような大会が沖縄から全国・海外へと発展していくことを期待。ぜひ皆さんも車いすサッカーを!