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美味い米?

食べる人によってそれぞれ好みがあって、ひとくくりに結論を出すわけには行かないのが食味です。
とくに米は、どんな米が美味い米なのかいろんな人に聞いてみても、きちんと答えられる人はいません。
果物や野菜なら、甘い・すっぱいで表現することが出来ますが、米は、風味・味覚・食感・粘り・うま味などのバランスがきちんととれていて美味いと表現できるのかもしませんし、見た目でも果物や野菜は、熟れてる・青い・腐ってると判断することが出来ますが、米に関してはほとんどの人が外観で味の判断は出来ないでしょう。
むかし知人から「新潟産のコシヒカリの高い米だから美味しいよ」と米をもらった事があります、でも食してみるとまずくはないがそんなに美味しくもない、結局、美味しいお米を見分けることが出来ない我々は、産地や価格で米の味を判断してるのかも知れません。
前に、美味しいお米の出来る条件というのをネットで見たことがあります。専門家は「一、種」、「二、人」、「三、自然」の順に重要だと指摘していました。 
一の「種」というのは、コシヒカリやあきたこまちといった品種、そして次に重要とされるのが「人」 そして最後に気候風土や天候条件などの「自然」ということことです。
これを見る限り、美味しいお米が出来るのは作る人の腕?場所でも値段でもなく生産者の力量?だったら我々は、袋入りの誰が作ったかわからない米を買うよりも、美味しい米が作れる農家を探し、そこから直接米を買えば「美味い米」を手に入れることができるということになります。

「美味い米」探し!

RIMG0008.JPGそこで今回は、「美味い米」を探すため、まず、スタッフ全員に招集をかけ、聞き込み開始!「家で食べてる米は、美味い米か?」と全員に質問してみた。ほとんどのスタッフが明確には答えられない中、「絶対!我が家の米は美味い」言い切るスタッフO氏、「どこで買っている?」と聞くと「農家から直接」と言う答えが「よし、まずはその農家から調査開始」!

と言うわけで、稲刈り真っ最中の田んぼへ米作りの達人出田さんを訪ねてみました。

美味い米 出田の米!

IMG_2480.JPG「今年はいかがですか?」といって訪れたところ、「幸い台風が来なかったので良いですよ」と、実りの秋を喜んでおられる笑顔で答えてくれました。
 出田さんが米作りを始められてから数十年、当初から「質より量の稲作」には疑問を持たれていたそうです、ただ平成7年までの旧食管法時代は農家から消費者や小売店、卸問屋などに直売することは法律で禁じられており、原則としてすべての農家は政府の管理のもと、決められた価格で農協へ出荷しなければなりませんでした。
「美味い米」を作っても、「まずい米」を作っても、その地域ではみんな横一線の価格付けがされていたため「質より量の稲作」が主流になっていたのです。それでも出田さんは当事から「美味い米」を作るために試行錯誤されてたそうです。


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「美味い米」の作り方!

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現在、出田さんは有機肥料を使った稲作に取り組まれています、田んぼには米ぬかをまいて肥料とし、収穫後にはれんげの種をまき、来年の春に肥料とする等、昔ながらの土作りもあわせてやっておられます。
余談ですが、れんげの花が咲く5月には近所の人も一緒にれんげ祭りを催し、毎年多くの人が訪れ、大変にぎわうそうです。


4.jpg次に田植えですが、出田さんの苗は株と株の間が広く植えてあります、これは「疎植(そしょく)」と言って株間を空け株の根元まで日光を当てることで、太い茎が育ち大きな穂をつくり、デンプン生産が旺盛になり食味が向上します。
 稲が育つのに一番大事な水は、出田さんの田んぼでは排水が混入した用水は使わず、地下70メートルのところから水をくみ上げた地下水が使われています、地下水を使うことで米の食味を良くするだけでなく、安全性も高めています。
結果、有機肥料を使い、「疎植(そしょく)」で植え付け、地下水を使うことで稲の力が強くなり、農薬を使うことなく「美味い米」ができるようになったそうです


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「エコファーマー」?「有作くん」?

IMGP0372.JPGところで、熊本県では土作りと減農薬・減化学肥料などを遵守して栽培された米や野菜に「有作くん」という認証制度を導入しています、もちろん出田さんの米も認証を受けています。
また、出田さんはこれも熊本県で進めている「エコファーマー」にも登録されています。
「エコファーマー」とは、化学肥料・化学農薬の多用により生じる環境汚染や農地の生産力低下が大きな問題となっています。そのため,環境に配慮しつつ農地の生産力を維持・増進する農業を行う意義は非常に高まっています。 このようなバランスのとれた農業に取り組むため,国の法律に基づいて「持続性の高い農業生産方式」の導入計画を作り,熊本県知事の認定を受けた農愛称が「エコファーマー」です 。

IMGP0402.JPGこのように「美味い米」を作るために、手間のかかる地道な作業に取り組みながらも、ちゃんと結果を出しておられる出田さんに今後の目標を訊ねて見ました。
「美味い米を作るために、もっともっと勉強したいですね。それと、ひと世帯だけでは限界があるので、地域ぐるみでエコ対策へ取り組み、地域のブランド化を目指していきたいですね。」と答えてくれました。
最後に、私たち取材陣に、昨日乾燥が終わった新米ですといって、奥様からお土産までいただきました。
本日、炊いていただいたところ、おかずがいらないほどの、本当においしい出田さんの意気込みを感じる味でした。(美味い米、ゲッツ!)