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ギネス認定!那覇大綱挽

IMG_0774.JPG10月に入り沖縄も少しだけ秋めいてきました。日差しも弱まり過ごしやすい日々が続く季節です。そんな沖縄の秋の一大イベントが「那覇大綱挽」。
那覇ハーリー、全島エイサーに並ぶ沖縄の3大イベントの一つです。
沖縄に在住の方なら10月に入ると那覇祭りの季節だ~と感じる方も多いのではないでしょうか?今回の沖縄はそんな那覇祭りのメインイベント「那覇大綱挽」をピックアップしていきたいと思います!

ギネス認定!世界一のわら綱

IMG_0911.JPG写真のキャプションを入力します。那覇大綱挽といえば、何と言っても「世界一の大綱」ですね。
毎年、この時期になると那覇大綱挽保存会や青年会の皆さんが力をあわせて大綱を手作業で作っていきます。この大綱、1995年ギネスブックに「世界一のわら綱(全長172m、総重量31t730kg、直径1m54cm)」として認定され、回を重ねるごとに規模を大きくしています。
当日は、那覇市を東西に分けこの大綱を挽き合います。爆竹のバチバチ!という音に混じりドラや鐘の音が鳴り響く中、数万人の観衆が大綱を挽き合い自陣の勝利を目指します。
現在では43t以上ある大綱がこの時ばかりは前後左右に揺さぶられ、大きく波打ちます。


大綱引きの舞台裏

IMG_0530.JPG「今年は45tにもなる大綱。どうやって会場まで運んでいるんだろうか?」
気になった沖縄スタッフは情報収集を始めた。大綱は那覇軍港で作られていて、作成時には取材や見学者も来るようだ。子供達が大綱つくりを体験し、ニュースでも紹介されていた。
さて!この大綱をどのように運ぶのか?ということだが、開催日の未明に那覇軍港から運搬するという情報が入ってきた。
スタッフは舞台裏を探るべく、当日未明のAM1:00ごろ現場に行ってみることにした。
街頭の明かりが照らす中、久茂地交差点付近に車を停めて辺りを見渡すと、なにやら工事をしているようだ。
明日には25万人以上が集まり大綱を挽くというのに今時工事?としばらく見ていると…。なにかおかしい、いつもの久茂地交差点と何かが違う・・・
あっ!中央分離帯が無くなっているではないか!


IMG_0490.JPG写真のキャプションを入力します。綱挽のために壊したのか?それともセロが来てマジックで消してしまったとか?!
自分の目を疑った。いや、寝ぼけているのかと目をこすってみた。夢ではない!現実である!
そんな事を考えながら見ていると、近くに大きなブロックが置かれている。
あれ?どこかで見覚えが・・・。 そうです。中央分離帯が外されているんです。
あんなに大きな中央分離帯がいとも簡単に外れる分けないのに・・・。でも実際に外されていることに記者としての魂に火が付き現場作業員の人に話を聞いてみた。
すると、那覇では有名な話で・・・
日本で一箇所だけ、ここ沖縄で年に一度、国道58号線の中央分離帯が外されることになっているという情報が確認できた。


那覇大綱挽は、沖縄のハイウェイ国道58号線の久茂地交差点を舞台に熱戦が繰り広げられる。しかし、大綱を国道沿いに設置し実際に綱を挽く際にはどうしても中央分離帯がじゃまになる。そこで沖縄県は考えた!
「そうだ!中央分離帯を取り外し式にしよう!」
その一言で、中央分離帯がいとも簡単に取り外しできるように設計されているそうだ。
全ての中央分離帯が外されると交差点付近の風景は一変した。前後200mに渡って中央分離帯が外され、次は空いた穴には鉄板が敷かれている。
あとはこの上に45tの大綱が来れば準備万端!となるわけだ。

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綱が運ばれてきた!

IMG_0564.JPG時間は深夜4:00・・・。綱はまだ来ない。
そんな中、交差点に巨大なクレーンが8台(東西4台ずつ)入ってきた。いよいよ綱の搬入が始まるようだ。
大型トレーラーに載せられて運ばれる綱を見てビックリ!話には聞いていたが、こんなに大きいとは思いもしなかった。しかしこれは片方だけ。綱は男綱・女綱の2本ある。
同じサイズの綱がもう一本運ばれてきた。

IMG_0752.JPGいよいよトレーラーから国道へ綱を下ろす時間になった。
那覇大綱挽保存会の人と思われる方を筆頭に、作業員がクレーンを使って見事に綱を下ろしていく。しかし、1本20t以上、長さは100mもある大綱!なかなか思うように動いてくれません。道路の中央にきちんと設置しないと開催までの時間、車の通行の妨げになってしまいます。
試行錯誤を繰り返し、無事に綱が降りたのを見届けたのが午前6:00過ぎ。
午後4:00には綱引が開催される。長期戦に備えてそれまでの間、スタッフはしばしの仮眠をとることにしてひとまず帰宅・・・。


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激闘!那覇大綱挽

スタッフは12:00には現場に戻っていた。大綱挽は15:00から周辺の交通規制が入り、開催は16:00頃を予定されていたが200mの区間に毎年25万人以上が集まるため、場所取りが大変なのである。開催ぎりぎりに来てしまうと、綱にも触れず終わってしまうこともあるため、場所取りも大切なポイントの一つです。
交通規制が入り、許可が下りると我先にと一斉に綱に走り寄り、ものの1分ほどで綱を引くスペースは無くなっていた。獲物に群がるアリのよう・・・。
観光客もこれにはビックリしていて、大綱の人気の高さを象徴している。
30分ほどのセレモニーの後、まずは東西の綱(男綱と女綱)を交差点中央に引き寄せて交わらせます。綱挽の前のウォーミングアップといった所でしょう。
男綱と女綱が交わり頭貫棒(カヌチボウ)を通すと二本の綱がガッチリと繋がります。
綱の結合が済むと両軍の綱の上から神輿に乗った武士が登場して、決戦前の儀式を行う。毎年同じではないが琉球の戦国時代の武将がモデルとなっていて、今年は西軍の中城(なかぐすく)按司の護佐丸(ごさまる)。東からは勝連(かつれん)城城主、阿麻和利(あまわり)が登場し、両軍の士気が高まります。

そして、仲井眞県知事の合図で東西の対決が始まります!
本綱から出る手綱を持ち、「ハーイヤ」の掛け声に合わせて観衆が一斉に綱を引きます。観光客や老若男女問わず、一生懸命に綱を挽いています。中には力が入りすぎて顔が真っ赤になる人もいました。
東側に軍配があがるか!と思ったところで西も再度引き寄せ勝負は五分。
勝敗は東西どちらかに5m動いたところで決定します。なかなか決着がつかず30分以上挽き続けることもあります。制限時間の30分挽いても勝負がつかない場合は、引き分けになることもあります。
今回は25分近くの激闘の結果、勝負がつかず引き分けとなってしまいました。

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綱は縁起物

那覇大綱引きで使われる綱は縁起物とされています。
綱挽きが終わったあと、綱を小分けに切ってそれを持ち帰ります。家内安全、商売繁盛、厄除けなどの効果があるようで、地元の沖縄人は綱挽きが終わる時間をみて、綱だけを求めて来る人もいるようです。

※ 綱を切るために会場にのこぎりやカッターなどの刃物を持ち込む方がいるようですが、会場スタッフが切り取って皆さんに配布することになっています。今回も刃物を持っていて関係者に注意される光景が多かったです。大変危険です。絶対に刃物を持込まないようにしましょう。

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那覇祭り開催

那覇大綱挽は那覇祭りのメインイベントとして開催されています。
毎年、10月体育の日の連休に開催され、観光客や外国人、地元客など多くの人で賑わいます。
期間中は県内ビールメーカー「オリオンビール」が恒例の「ビアフェスタ」が開催され、県内アーティスト達のライブと共に盛り上がります。
那覇祭りに参加して、沖縄の思い出に、お土産に!そして家内安全、商売繁盛、厄除けに!那覇大綱挽の綱を持ち帰ってみてはいかがですか?

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