9月29日から10月4日まで、第2回『Photo is art. Art is heart.』展が(省略:PA展)が沖縄県立博物館・美術館県民ギャラリー内で行われた。
OKIKUMA9月号をご覧になった方はご存知だと思うが、PA展はOh!Day(おーでー)氏と新里龍太氏に玉城達矢氏の三人が中心となって、身近な沖縄の自然や昔ながらの風景を大切にしたい、残していきたい!自然や動植物の保護、環境問題や健常者・障害者や男女・人種など、様々な差別や偏見がなく、誰もが芸術に触れる空間を目指している。
同展はPAメンバーの心を揺さぶるアーティスト(プロ・アマ問わず)の作品展示の場としてもなれば、きっかけや力になればと思い、ゲストとして招いている。
このPA展は去年に引き続き、2回目とまだまだ走り出したばかり。しかしその影響力?人を引き付けるモノが大きいのだろうか?第2回にしてゲストアーティストも三人、特別参加の学生二人が参加した。
PA展は6日間という期間の中で観客動員数は延べ1300人を超えた。客層はやはり県立博物館・美術館とあって、芸術家や芸術に興味がある方、観光客が多いことも感じた。県外や海外からも観光できてPA展を偶然知ったという方もいた。
そして今回も新聞やテレビにも大きく取り上げられてメディアを通して知って、足を運んでくれる人も多かった。また、参加者の知り合いなどもたくさん来てくれ、展示会を通して久しぶりに顔を合わせる人もいて、PA展のもうひとつの目的「人とのつながり~輪~」を達成できたと実感!
今回の会場は初めてと言うこともあって、準備にはとても苦戦して当日の朝まで準備していたと言う裏話がある。(笑)そんな心配をよそに会場はPAのカラーに染めあげ、いいモノが仕上がった。その全貌を紹介しよう!
美術館内県民ギャラリーに行くと入り口には、特別参加の泡瀬特別支援学校高等部2年生、玉寄菜々美さんと1年生の宮島愛実さんの作品がお出迎え。二人とも脳性マヒという障害を持っているが、二人の作品からは温かさも感じ、可能性を秘めたものを感じた。そんな作品の中でも玉寄菜々美さんの「ゴーヤ」という作品は見る者に親近感を与え、「そういえば最近ゴーヤ食べてないな」という主婦の方もいた。また、宮島愛実さんの「笑」という書はまるで笑っているような笑顔に見えて、見る者に笑顔にしてくれる作品でした。
特別参加のお二人の作品を後にすると受付が!参加者が交代で受付をして皆様を迎えて会場に入ると新里龍太さんの直筆「Photo is art. Art is heart.展」のパネルとOh!Day(おーでー)さんと玉城達矢さんの写真をばら撒くPA展恒例の光景が!
そこを横目に右に折れると、早くも県外からのゲストアーティストの写真家:関根啓介さんの作品です。関根啓介さんは全国を旅して写真を撮って歩き、沖縄では感じることのできない「日本全国の~和~」風景・風を今回はPA展に吹き込んでくれました。
関根さんの作品を見るために県外から足を運んでくれた方もいて、沖縄県内の方にはもみじの紅葉の作品「燃える赤」が人気でした。
次に進むとチームPAのメンバー写真家:玉城達矢さんの作品が並びます。関根さんとは対象的に、沖縄の風景を中心とした自然や昔ながらの沖縄、日々減少していく沖縄独特の自然や風景を作品として残している。中でも「奥武島(久米島)」の作品は観光客に人気があった。久米島から奥武島へ電気を運ぶため、海に電柱が立っている光景はなかなかなく、大自然の中に電柱という人工的な光景の対比が観光客には新鮮で心に響いたのだろう。
次に進むと今回のPA展出品乗り換えし地点、新里龍太さんの作品が続く。今回は故郷の久米島をテーマに全作品新作でまとめていた。故郷の風・瞬間・温もりを感じる作品に仕上がって、中でも「球美の島」という3部作の作品の「球美の島Ⅲ」は、久米島の観光名所「畳石」を切り取った作品が高評価で多くの反響があった。この作品を描こうと思って試行錯誤しながらも挫折を繰り返したが、約10年という月日で仕上がったという。
次に進むと今回のPA展でもっともメッセージ性の強い、チームPAのメンバー写真家:Oh!Day(おーでー)さんの作品が待ち構える。
ダンボールで作った手作りの額に猫達の愛くるしくもあり、何かを訴えかける表情の作品。展示方法も「猫目線」をテーマに床に置いたり立てたりと独特。これらの作品の猫達は虐待によりもうこの世にはいない。生前に撮っていた写真と虐待の犠牲になった猫達を調べだして展示し、見る者に命の大切さや個々にいろいろなことを投げかけた作品が並んだ。
そして第2回PA展で唯一の女性、華である画家:柳美紗貴さんの作品が続く。
むさ苦しいチームPAに華を咲かせてくれてPA展が華やかになっていた。(笑)美紗貴さんはオリジナルブランド「OKINAWAN OCEAN ART」を起点とし、沖縄の海をテーマにした「海と人との共生」をコンセプトの作品が並んでいた。
やっぱり海は全国、いや世界共通?県内外・海外の方々からもとても人気があった。沖縄の海を通して環境保護も考えさせられる作品になっていた。
PA展は通常の展示会とひと味もふた味も違うことを誰もが感じるのではないだろうか・・・。
展示会と言えば静かでちょっと足を踏み入れにくい、かしこまったイメージがあるようだが、PA展はそんなことを感じない。会場の雰囲気も明るく、会話が飛び交い、また子供達の騒ぐ声。笑い声も泣き声も多く聞こえる。PA展はそれらも大切にしているのだ!それは人と人とのつながり、コミュニケーションが一番大切だと思っているからだ!
それを証明するかのように、展示期間中は参加者みんなの知り合いが多く来てくれて、新聞・テレビを見て来てくれたと言う方もたくさんいた。参加者も出来る限り会場にいるようにして、たくさんの会話とまた新たな出会いも多くあった。
写真についてたずねてくる人や、絵についての技法をたずねる人など、会場ではカッティングアートの実演も行われていて、リクエストをして作品を作ってもらい持ち帰る人、自分でも作ってみようとチャレンジする人もたくさんいた。今回のPA展では、カッティングアートの尚人さんが人気あって引っ張りだこで、最終日には手が震えるほど疲れていたようです。(笑)
もうひとつ笑ってしまうことがあった。それはPA展のボスである新里龍太さんと子供達との関わり。電動車椅子にちょこんと座って、会場を動き回る龍太さんに驚く子供も多かった。「ちっさいおじさんだよ」と言うと「怖い」と返す子供。「噛み付いたりしないよ」と言うと「噛む!」と答える子も・・・。(笑)そして会場は大笑い。
でも中には怖がらず、ちっさいおじさんに笑顔を見せる子供達も!
PA展は「あしあと帳」という物がおいてある。それは作品をご覧になった人が自由に何でも記入するノートで、たくさんの人が書いてくれた。
Aさん:家族で来ました。かわいいネコがいっぱい。一生大切にするんるん♪
Bさん:ステキな時間を持つことができました。ありがとうございます。
自然の中で生づいている美しさ、厳しさの中にありながら生きている姿に、心うたれました。
これからも体を大切に作品を作り続けてください。
Cさん:今日で2回目です。すごく素敵な手作り感あふれるアート展で元気いただけた気がします。楽しくそれでいていろいろ考えさせられました。またどんどん素敵な作品をお願いいたします。その時まで楽しみに待っています。今後の活躍を期待しています。
他にもこのようにたくさんのお言葉を頂きました。これらはPAメンバーの励みであり、原動力であり、宝である。それを大切に今後もPA展が続けられるように、また皆様に出会えるように制作活動に専念します。
今回もたくさんの人に支えられて無事に好評な展示会になりました。PA展に関ってくれた方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。そして会場で出会えた新たな出会いも大切にし、皆様に感謝致します。ありがとうございました。また来年のPA展でお会いしましょう。